俺の昔話でも書くか。
俺が大学2年のころ、親父の会社が倒産して、お袋が家出してしまった。
家も売り払うことになり、親父は祖母が暮らす公団アパートに移った。
俺と姉貴は住むところがなくなったので、姉貴と折半でアパートを借りて住んだ。
姉貴はOLやっていたので金はもってたし、俺も大学ではちゃんと単位をとってたので家の事情もあり、授業料を免除してもらえた。
バイト代はすべて生活費や遊びに使えた。
で、実は俺は中学の頃から姉貴のことが好きだった。
好きだったというより性欲の対象だっただけかもしれない。
姉貴の隣同士の部屋だったんだけど、ひんぱんに姉の部屋からのへんな声を聞くようになったからだ。
最初はビックリしたけど、だんだん俺も興奮するようになってきて、姉を意識するようになった。
家に誰かが上がっている形跡はなかったから、ひとりエッチしてたんだろう。
ともかくそんないきさつもあって、姉と一緒に住むようになることを心の中ではかなり期待してた。
俺と姉の二人っきりの生活。
まぁ、引っ越してからしばらくは何もなかったんだけど。
姉は友達が少なく、携帯を買っても迷惑メールすらこないと嘆いていた。
だから俺のメアドを教えてあげたら、嬉々としてメールを送ってきた。
そういうところがけっこう可愛いと感じたりもしてた。
昔は性欲的な割合がでかかったけど、その頃はもっと、こう、愛的な感じでも姉のことを好きになり始めていた。
きっかけは実に単純だった。
姉はやっぱり彼氏がいないらしく、休日はずっと家にいた。
ごくたまにどこかに遊びに出るくらい。
必ず日付が変わる前には帰ってきた。
クリスマスイブの日はやっぱり一日中家にいた。
俺も彼女がいなかったので、一日中家にいた。
そしてふたりしてずーっとテレビを見ていた。
なんの番組だったかは忘れたけど「クリスマスを優雅に過ごすステキなカップル」なテーマの番組だったかな。
それを見ていて姉が、裕樹(俺の名前)は彼女いないの?って聞いてきた。
俺の中で、その瞬間なにか踏ん切りがついたような気がした。
普段から、いつか告ろうかいややめておこうか、と気持ちに迷いがあったんだけどその瞬間、ああもう言っちゃえ。
とか思ったんだ。
でも、真剣に言うのも照れくさいからいないよ、もういっそのこと姉ちゃん彼女になってくれって言った。
第一リアクションはやっぱり冗談に聞こえたらしく、なにいってんのー、みたいな感じだった。
でもその時の俺の流れは誰にも止められなかったんで、本気だよ。
ってちょっと真剣ぽく言った。
やっぱり、なにバカなこといってんのって言われたんだけどめげずに何度も付き合ってっていいまくった。
たぶんその時の俺の顔はすごく真っ赤っかだったと思う。
だんだん姉も顔が笑ってなくて、しまいには怒ってしまった。
だから、昔から好きだったと本当に真剣に言った。
ひとりエッチの声を聞いてからなんてことは言わなかったけど(w
俺は恋愛経験がすごく少なかったのでこんな告白しかできなかった。
でも、もっと恋愛経験の薄かろう姉は、俺以上に顔を真っ赤にさせてそのままうつむいてしまった。
しばらく二人とも黙ったままだったけど姉がとうとう、別にいいよって言ってくれた。
最初はびっくりして信じられなかったけど、じょじょにうれしさがこみ上げてきた。
あまりのうれしさに興奮して、俺は姉の顔みようとして両手で姉のほっぺたもって顔を上げさせた。
そしたら、やっぱ姉弟だからこういうのは変だ、とか言われて俺から離れてしまった。
でも今付き合ってもいいっていったよね、って俺も食い下がったら冗談だっていって、なんかそのままどっか外へ逃げてしまった。
どこ行くのって声かけたんだけど、コンビニとだけ言ってとっとと行ってしまった。
でもやっぱり夜11時ごろにちゃんと帰ってきた。
姉は、さっきのことは本気なの?って聞いてきたから、自信を持って本気だって答えた。
本気だよって、真剣に答えたんだけどなぜかそこでお説教が始まった。
あまり覚えていないんだけど「姉弟で好きになるのは変」をテーマになんか説教されたことは覚えている。
今からでもちゃんと好きな人を見つけて普通の恋をしろとか、今は一時の気の迷いだみたいなこと言われたかな。
いつもおどおど気味な姉だけどやけにハキハキしゃべってたからコンビニへ逃げていた間にセリフとか考えていたんだろうな。
でもそこで引っ込むのは情けなかったから、思いつく限りの恥ずかしいセリフを言って姉を納得させようとした。
恥ずかしいからなんて言ったかは思い出したくない。
あれだ、姉ちゃんのことしか考えられないとか、うー、そういう感じ。
そしたらあっという間に顔が真っ赤に戻っちゃってさっきまでハキハキしゃべっていたのがまたしどろもどろになってやんの。
なんかかわいそうになってきちゃって、変なこと言ってごめんっていってここはひとまず引いた。
俺と姉のアパートの部屋のつくりは入り口があって台所とトイレと風呂があって6畳の2つの部屋が並んでいる。
2つの部屋が並んでいるってのは、奥の部屋へ行くには手前の部屋を通過しなければいけないってこと。
なんでこんな部屋選んだってのは月6万という格安物件だったから。
ともかく、手前の部屋は「通り道」になってしまっているから二人で部屋を分けないで2つの部屋を共用して使うことになっていた。
まあそれも俺が社会人になって収入が入るようになったら、別々に暮らすってことで借りたアパート。
でも俺は現在新入社員やってるけど、いまだに一緒にそこで暮らしている。
話を戻すね。
で、ごめんねって謝ったあとにおやすみって言って「通り道」の部屋に戻って布団引いて寝た。
普段は俺が通り道部屋で姉が奥の部屋で寝ている。
最初俺が告ったときの姉の「べつにいいけど」って言葉が妙にうれしくて布団の中で足をバタバタさせてしばらく余韻に浸っていた。
でもよく考えたら拒否されてるわけだったんだって思い返してブルーになってきた。
しばらく眠れずにこれからの事をぼんやり考えていた。
しばらくしたら姉がふすま開けて、寝ちゃった?って声かけてきた。
まだ起きてるって返事したら姉も、ごめんねって俺に謝ってきた。
あやまられた事がけっこうショックだった。
なんかショックだった。
なんであやまるのって聞き返したら姉は急に言われてビックリしたからもう少し考えさせてって言ってじゃあおやすみって言ってまたふすまを閉めた。
もう少し考えさせてってことは、まだ希望はあるってことなんだろうなって思ってまたハッピーに戻った。
でその日はよく眠った。
朝、今日から姉とどう接しようかとちょっと悩んだけど姉は俺以上にギクシャクしてた。
その姿を見て俺はすこし優位にたった気分になった。
俺はいつもどおりに姉と接することが出来た。
それから3日後の12月28日、姉はいつもどおりの時間に会社から帰ってきた。
今日が今年最後の会社だから納会みたいな飲み会とかなかったの?って聞いたんだけどああいう雰囲気苦手だから帰ってきちゃったって言う。
そんなんだから友達少ないんだ。
明日から会社休みだし、俺も大学休みだからということでご飯食べながら、明日どこかへデートに出かけようって誘ってみた。
デートって言葉にまた顔を真っ赤に反応させて姉はいいよって小声で返事した。
とりあえず映画をみて、買い物して、・・・・、前にも書いたけど二人とも恋愛経験が乏しいのでコレといったデートコースってのは思いつかなかった。
ディズニーランドってのが精一杯。
混んでいるからやめようって言ったけど。
ただ、何気に開いていた千葉ウォーカを見て、ザウス行こうって事になった。
冬に人工スキー場行くってのもアレだけど、近場でちょうどいいしそこに決定した。
二人とも車とか持っていなかったし、スキー板も持っていなかった。
電車で手ぶらで行って全身レンタルで行くつもりだった。
まぁあとは適当にららぽーと(でかいショッピングセンターみたいなもん)とかでぶらぶらしてるかってことになった。
結構夜遅くにまだ一緒に起きていてかなりドキドキしていた。
だんだん会話も終わってきて、沈黙が怖いので無理して俺は話題を振っていたけどもう限界だったから、俺は風呂入って寝ることにした。
湯船にお湯を張っていないときはいつもの習慣で俺が先にシャワーを浴びることになってる。
この段階ではまだ「一緒に入ろう」なんて言えない(wシャワー浴びた後姉に出たことともう寝ることを告げてとっとと布団かぶって寝た。
シーンとしている部屋の中で姉のシャワーの音聞いているとなんとも言えない気持ちになってくるが、我慢してねた。
次の日結構朝早くから姉に起こされて、朝ごはんがもう出来ていた。
その日は俺が当番の日なのに。
しかもお弁当まで作っていた。
なんか結構ハイテンションだった。
よく考えたら姉は誰かと遊びに出かけるのは本当にめったにないし出かける前はいっつもハイテンションだったからそれもそうだったのかもしれない。
でも、ザウスへ行くのにお弁当持ってくのはどうかと言ったらちょっと寂しそうに、じゃあこれは夕食にとっておくっていって片付けようとした。
我に返ったのか、姉は急にテンション落ちた。
だから俺はあわてて、せっかく作ったお弁当だから予定変更してどこかピクニック的な感じに出かけることを提案した。
といっても、この真冬にピクニックってそんなん勘弁して下さいってことなのでやっぱりディズニーランドへ行くことにした。
あそこなら別に弁当持参とかでもおかしくないしね。
舞浜駅についたら朝もはよから激混みだった。
姉は人の雪崩に巻き込まれそうだったので、手を引いて誘導した。
なんとか人ごみを抜けたけど、どさぐさにそのまま手を繋いだまま歩いた。
姉は途中で気がついたけど、別にいいじゃんと俺はとぼけて言ってそのままディズニーランドのゲートをくぐった。
姉は小学生の頃家族で行ったのを最後に、ずっと行ったことがなかったらしくビックサンダーマウンテンすら乗ったことがなかったようだ。
普段時々誰かと遊ぶときもこんなテンションなんだろうか?ってくらい目を輝かせてはしゃいでた。
人がいっぱいで待ち時間が長かったけど、久しぶり(というか2回目)ということもあって並んでいる間の会話には事欠かなかった。
初めて来た時よりガラリと変わっているから。
いつも読んでいた雑誌を何週か読み逃していて、一気に1年分くらい読み漁る感じ?例えがうまく思い浮かばないな。
昼過ぎ、シンデレラ城の前の広場のベンチでお弁当を食べる。
レストランはどこもいっぱいだからお弁当は賢い選択なのかも。
普段家にいるときの姉とは人格まで違ってしまったのではないかと言えるくらい明るかった。
一緒にいて、こっちもすごく楽しくなってた。
お弁当はやたら気合の入ったやつだったのは覚えている。
3重の弁当箱+デザート箱2つ。
リンゴがうさぎ、ウインナーはタコ、なんてレベルではなかった。
すごく手の込んだ・・・思い出せないけど、小細工がすごかった。
午後は午後で、姉も自分から手を繋いでくるようになった。
俺は心の中でこういう「レベルアップ」的な喜びでガッツポーズもんだった。
エレクトリカルパレードを手をつなぎながら眺めててアレは周りから見たら姉弟とは思われなかったんじゃないか?
あといっぱい写真も取った。
その辺のファミリー捕まえて撮ってもらった。
ミッキーの周りはやはり人気が高くグーフィー周りは意外と閑散としてた。
だからグーフィーと写真を撮った。
夜も遅くなってそろそろ帰ろうかといったら、閉園ギリギリまでいようと言い出した。
俺から切り出した今日のデート、姉がそんなに乗り気じゃなかったらどうしようってそんな心配もしたけど、まったく真逆だった。
俺の方が疲れてしまった。
でもいっこ分かった。
姉と一緒にどこかへ出かけるのはとても楽しいこと。
姉のリアクションを見ているだけで幸せになれた感じ。
また来ようねって言ってくれたのがとてもうれしかった。
手をつなぎながら帰った。
年明けは俺も就職活動をぼちぼち始めてちょっと忙しかったけど初詣からはじまり、今度こそザウス、ボウリング・ビリヤード(ルールもろくに知らないくせに)買い物、映画、いろいろデートした。
車というのが持っていなくて場所にけっこう苦労したけど。
手は繋げるもののその先へ一歩踏み出す勇気はなかなか出せなかった。
バレンタインという素晴らしいイベントがあったにもかかわらず、たしかそのときは手を出せずじまいだったな。
チョコうまかった。
で、俺の大学の春休み。
思い切って泊まりでスキーへ行こうって切り出した。
ザウスでのスキーがかなり楽しかったので、いつかちゃんとした雪山へ行こうとは前から言ってたし。
最近はよく二人で出かけるから免疫(?)がついた姉だけどさすがに泊まりでってのにはビックリされたようだ。
なんとか会社を休みをとって行こうって半ば強引に誘った。
結局姉に強引に休みを取らせて、スキー場へ行くことにした。
ペンションも予約。
出発日の一週間前、姉もようやくいつものテンションが上がってきて板を買いに行こうと言い出すほどだった。
一緒にショップへ買いに出かけたけど金銭的なアレで、ウェアだけ買った。
友達に聞いて、電車とかバスで楽に行けるスキー場を教えてもらい八方尾根スキー場へ。
友達は楽だって言ってたくせに、けっこう乗り継ぎとか大変だった。
やっぱり車が欲しいと強く感じたな。
姉のボルテージは目的地へ近づくほど高まってくるのがわかった。
そんなこんなで、スキー場に到着。
白い雪に発狂する姉。
オマエは南国の人かと。
やっぱり姉と出かけるのは楽しい。
遠くから見ててしみじみ思った。
その時は恥ずかしかったから遠くから見てたんだけどね。
リフトが止まるまで滑った後、ペンションへもどり着替えて、夕食食べて、温泉に浸かって、それで部屋でマッタリしてた。
何気に俺は姉のすぐ隣にすわり、今日の出来など聞いてみたりした。
雑談をしばらく交わしてた後、姉は、やっぱり部屋の中でくつろいでるのも落ち着くって旅行帰りのオカンみたいな事をいう。
そんなインドア嗜好じゃ友達できないぞって言ったら最近は俺がよく遊びに連れてってくれるから別にいいみたいな事を言ってくれた。
その言葉を聞いてどうしようもなく嬉しくなった俺。
去年のクリスマスに俺が告白したことを覚えているかどうか聞いたら顔を真っ赤にさせながら、そんなこともあったねととぼけやがるので今でも気持ちは変わっていないことを伝えた。
とにかくこういう特別なシチュエーションじゃないともう一歩姉へ踏み込める勇気が出なかったから願ってもないチャンスだった。
しばらく黙りこんで、それでこれからもいろんな所へ遊びに連れてってくれるなら付き合ってもいいと言ってくれた。
去年俺が告った時のように、やっぱりやめた~的なリアクションを警戒して念のため、それは姉弟としてではなく彼女彼氏として、デートってことで付き合ってくれるかどうか、もう一回聞いた。
で、姉はいいよっていったので、姉をギュっと抱きしめて約束したからねともう一回、もう一回念を押した。
押しまくった。
姉のほうもなんか遠慮がちに俺の背中に手を回してくれてただうなずくだけだったけど。
そのまましばらく抱き合ったままいた。
でもいやな考えが思いついた。
姉は俺のことを本当に彼氏にしてくれるつもりなんだろうか。
ただ単に、いろいろ遊びに連れて行ってもらいたいだけなんだろうか。
しつこいようだけど、別にここで断っても俺はねーちゃんを嫌いになったりしないしこれからも普通に一緒に色んなところ遊びにいったりするし、だから正直な気持ちねーちゃんはどう思っているのか、と聞いた。
姉は、今は本当のことを言うと俺のことを弟以上に思ってるかどうかわからないけど俺のこの気持ちを受け止めて自分も俺のことを弟としてじゃなく、普通に好きに思えるようにがんばる、と言ってくれた。
正確になんて言ったのかはもう忘れたけど、こんな感じのことを言ったと思う。
ただ一言だけ姉のセリフをはっきり覚えている。
「裕樹のこと、ちゃんと好きになるから心配しないで」この一言。
すごくうれしかった。
スキー旅行の時は、あの後、「裕樹のこと、ちゃんと好きになるから心配しないで」の言葉がすごく嬉しかったからつい調子に乗って、キスしたいよって言ったら、いいよってボソって返事が返ってきた。
そのままチューしてしばらく抱き合っていたんだ。
でもそれだけで満足できた。
何故か。
ふと二人とも時計に目が行き、もう遅いから寝ようって言われて二つ引いてあったけどいっしょの布団で寝た。
俺は姉の方を向いて横になったけど、姉は向こうを向いてしまったからこっち向いてよって声かけた。
こっちを向いた。
さっきから俺の言葉にひどく従順な感じだった。
ますます姉のことが好きになった夜だった。
それからしばらくはまたいつもの生活に戻った。
キスより先にいくようになるまでは「俺に嫌われないように仕方ナシにキスさせてくれてるんじゃないだろうか?」なんて葛藤が続いていた。
だっていつもはすごく笑顔なのに、キスさせてもらうときはいつもなんか、もの悲しい顔(ちょっと大げさだけど)になるから。
すごく不安な日々だった。
ゴールデンウィークのちょい前くらい。
いつものようにいい雰囲気になって流れに乗ったままキスしたとき、やっぱり姉はうつむいたままだったから思い切って聞いてみた。
本当はやっぱりこういうのイヤなんじゃないかって。
そんなことないと姉は首を横に振ってくれた。
どうしていつもキスのとき笑顔になってくれないのかって言ったらよくわからないだって。
でもキスするのはイヤなんてことは絶対ないから心配しないでって言われた。
それでも俺は不安が消えなかった。
今となっては、その時の姉の心情はよ~くわかってるんだけどね。
昔と違って今の姉は自分から舌絡めてくるくらい積極的だし。
ゴールデンウィークの頃、俺の就職活動がかなりピンチ気味なってすごくいそがしかった。
大学の単位も取らなきゃであまり姉と遊べなくなった。
でも夜になると一緒に寝てるしチューとかもしてたから、スキンシップは取れてたと思う。
で、やっと内定が取れて姉がお祝いしてくれることになった。
第一希望の会社ではなかったけどやりたいことは似ているから満足だったし姉もお祝いしてくれるってことでダブルで幸せだった。
でも「お祝い」というのは、姉とまたねずみの国でデートしたこと。
今度はランドじゃなくてシーのほうだけど。
はっきりいって姉の方が楽しんでいた。
23にもなって。
姉がいうにはこのデートは俺の内定ゲットのご褒美ではなく、俺が姉を最近どこも遊びに連れて行ってくれなかったからそれをガマンしてた姉の「自分へのごほうび」だそうだ。
わかりずらいけど。
そういってた。
でもデート代全部出してくれて、夕食もやけにゴーカなレストランセッティングしてて(料理がいっぺんに出てこない。
なんとかコースて・・)俺にサイフをプレゼントしてくれたので、やっぱり俺へのご褒美だったんだなと解釈してる。
帰りの満員電車の中でそれとなく手をずっと握っていた。
なんかそれだけでもうおなかいっぱいになれた。
満員電車だということもあるだろうけど、姉が俺の首筋に顔ぴったりくっつけてきたのでえらい興奮してた。
でもこの状況でマイサンが覚醒すると大変なことになるから必死になえることを想像して耐えた。
あの時は人生苦難ベスト5で第2位「小学校のマラソン大会中にウンコがもれそうになった思い出」に次いで第3位にランクインする状況だった。
家に帰ってきて、風呂入り終わってくつろいでいるときに改めて今日のお礼を言った。
結構真剣に。
姉はすごく恥ずかしがってた。
俺自身、なにをあらたまってって感じだったと思ってるし。
ただ、最近本当に姉と一緒に楽しい経験をするのって久しぶりだからすごく素直に言えたんだと思う。
今はそんなこと顔から火がでるからいえないような言葉もいった記憶がある。
「好き」だの「愛している」だの、シラフなのによく言えたなと思う。
姉もその手の雰囲気には弱いらしく、結構あっさりムードが作れた。
いつものように抱き合ってキスするところまでは、本当にもうあっさりだった。
で、なんとか勇気を振り絞って胸を触ってみた。
そしたら案の定ビックリしてすぐ俺から離れた。
なにすんのって顔して、なにすんのって言われたんで俺はすぐに後悔した。
けど、逆に開き直って、なんでいやがるの?って聞いた。
姉ははっきりしない口調でよくわからんことをごにょごにょ言ってた。
やっぱり姉弟でそういうのは変だと、そんなことばっかいってる。
俺はそこで、以前俺のことをちゃんと好きになるって言ったじゃん!って言い返した。
俺のことはやっぱり弟以上には見てくれないのか?って立て続けに責め立てた。
でも、だんだんかわいそうになってきた。
俺が説教してるみたいなんだもの。
姉はすっかりおちこんでしまってた。
気づいたら姉は泣いてた。
すんすん鼻すする音を立てて。
あわてて謝った。
泣かれるほどひどいこといったかな?って何度も考えた。
そしたら姉の方もごめんねごめんね言ってる。
謝られることされたかな?って何度も考えた。
どうしてねーちゃんがあやまるんだよって言いながら抱きしめた。
なんかね、泣いている姉の姿みて、なんか、心の中で、ぼうっと燃え上がるものが?あって、
その時の俺は、すごく興奮してた。
さっきの続きをした。
今度は抵抗されなかった。
けど姉はじっと黙ったまま俺に抱きついていただけ。
姉はいやいやなすがままにされていただけかもしれなかったけどその時の俺は、もうそういうのどうでもよかった。
無我夢中で姉の体を、その、いろいろした。
なんかもう、すごく必死だったのは覚えている。
童貞だったもの。
AVと監督のコーナーでしか裸というのを見たことが無かったから。
結局最後までやってしまった。
姉はすごく痛がっていた、けどそのわりに血はあまりでなかった。
出たことは出てたけど、500円玉くらいの大きさのシミをカーペットに作ったくらい。
それからそれから?
終わったあと、姉の体を拭いてあげた。
でも姉はボーッとしてたまま。
なんかレイプしたような気分になってきた。
罪悪感だけがドンドン重くなってくる感じ。
なんて話しかけたらよいか分からなかった。
かける言葉が見つかんなかったから、抱きしめた。
ちょっともうなんか限界。
抱きしめてる間、姉がやっと口を開いた。
「好きになるって言ったくせに、裕樹のことを傷つけてゴメンナサイ」だって。
傷つけたのは俺の方なんだけどな。
2通りの意味で。
俺も一緒に謝った。
何を謝っているのかわからなかったけど無理やりやっちゃった感があったから、そのことを謝った。
二人して謝っていた。
ずっと。
落ち着いてきたところで姉がもう寝ようかって言った。
そのまま布団引いて裸のまま寝た。
次の日の朝は姉が起こしてくれた。
ゴールデンウィークに突入して姉は休みだったけど、俺はお昼までに大学に行かなくてはいけなかった。
起きて顔洗って姉が作ってくれたご飯食べて出かけるまで、いつもよりちょっとやさしい姉だった。
昨日の夜は明日からどう接していいかわからなかったけど、その不安は吹き飛んだ。